読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひとりぼっち惑星のゲームデザイン

 スマートフォンアプリの「ひとりぼっち惑星」をはじめた。

 

 ゲームの核心である「じゅしん」「そうしん」をはじめるまでに数時間ないし120円かかるのは、ある不特定多数の集団が大挙して押し寄せサービスを機能不全に陥れることを阻む緩衝材としての機能がある。
 ネスカフェ大沢たかおさんの朗読サービスに「うんこぶりぶりんちょ」等と怪文を読ませて遊ぶ手合いというのが確かに存在する。

 ほんの少しのハードルを設定することで、面白半分で場を荒らすことをいくらかは減らすことができる。

 数時間ちまちまと部品を集めるか、最初にジュース一本分のお金を払うだけで、怪文を送ることはできる。そういう面倒なひとは、ひょっとすると拒まれていないのかもしれない。


 このゲームはいずれ慣れて、飽きて、忘れられていくのだけれど、ユーザーが最後のひとりになったとき、ひとりぼっち惑星の世界観と現実でのありようが重なり合う。
 いなくなってしまった人たちの、残された電波を受信するだけの世界になる。届かない電波を、虚空に祈るように送る世界になる。このゲームは、最初から、終わることを前提に作られている。

 よく練られたゲームデザインであると思いました。

 

play.google.com

国連深海棲艦条約の発効

国連海洋法条約海洋法に関する国際連合条約

第133条 用語
この部の規定の適用上、
a.「資源」とは、自然の状態で深海底の海底又はその下におるすべての固体状、液体状又は気体状の鉱物資源(多金属性の団塊を含む。)をいう。
b.深海底から採取された資源は、「鉱物」という。

第137条 深海底及びその資源の法的地位
1 いずれの国も深海底又はその資源のいかなる部分についても主権又は主権的権利を主張し又は行使してはならず、また、いずれの国又は自然人若しくは法人も深海底又はその資源のいかなる部分も専有してはならない。このような主権若しくは主権的権利の主張若しくは行使又は専有は、認められない。

  全然関係ない文脈で国連海洋法条約の"深海底とそこにあるレアメタルなどの資源は人類の共同遺産"云々の話を見かけたんだけど「艦これの深海棲艦の話かな?」って思っちゃったので艦これ毒が抜けきってない。

 

  1. 「深海底に眠る『資源』たる深海棲艦の研究調査」の名目で深海棲艦を軍事目的に利用せんとするアメリカの策謀(またアメリカか!)
  2. 米軍の核実験で朽ちて沈んだ艦艇がミューテーションした姿が深海棲艦(ゴジラの国の考え方)
  3. 海洋法条約の下、公に深海棲艦を利用できないアメリカが秘密裏に鹵獲した深海棲艦から細胞を採取し少女たちに移植することで生まれた生体マシンが艦娘であり、深海棲艦との戦いは通常戦力によって監視された箱庭実験に過ぎない(細胞の影響で人格や記憶が混濁している(FF7世代)

「条約の言い回しって独特ですね。自然の状態で深海底に『おる』鉱物資源って。普通の感覚なら『ある』でしょう」

「ただそこにあるのではなく、あえてそこにいるのだとすればおかしくはないだろう」

「……どういうことです、それ」

「つまりさ。自らの意思で深海底に留まる固体状の鉱物資源の存在を踏まえれば、そういう言い方にもなるだろうってこと」

 

まだ最終4巻買ってないけど『とっかぶ』の話

 good!アフタヌーンでこないだまで連載していた『とっかぶ』(桑原太矩)というマンガが単行本全四巻で完結したんですが、打ち切りを免れてほしい一心で一年半も本誌のアンケートを送り続けたぐらいに好きだったということをまず書き残しておきたい。twitter日本橋ヨヲコの「漫画家応援するには単行本もだけど雑誌掲載時の反響」みたいなつぶやきを見て「じゃあ買い支えよう」と思ったのがきっかけ。『少女ファイト』は途中で買わなくなっちゃったけど(ストイックさに振り落とされた。断食やってるところまではとても好きだった)。


 何が面白いのか、みたいなことをひとに説明するのは難しいのだけれど、「幸福が描かれているから」以外に思いつく言葉がなかった。
 特別課外活動部っていう一種の懲罰グループみたいなのがあって、主要キャラ三人がそこに所属してるんですけど、ひとりは物好きにも自主的に入部、ひとりはイタズラの度が過ぎて、ひとりは素行不良だけど直接の原因は他人をかばってと、人を傷つけるような人間はいないんですよ。基本的にはトラブルにとっかぶが首をつっこんでドタバタやりつつ収拾つけるという様式なんですが、食い逃げ犯がいれば闇討ちかける奴もいて、でもそいつらも憎むような「悪人」じゃない。ヒロイン(?)のサワはヒーローに憧れてるけど人をイラつかせる「正義」は振りかざさない。なにかにつけてユルいというのが恐らく一つのウリである。


 もっと言えば80年代マンガのリバイバルというか、えーと、単行本二巻に文化部が団結してハンガーストライキをする回があるんですけど、強烈な「あ~る」感というか。講談社のマンガですけど全体的にサンデーチルドレンな感じがする(偏見)。今日び、草野球回で月刊連載二話使うマンガなんてそうそうないですよ。あ、草野球のチーム名が「ピローズ」対「グッドドリームス」で分かりやすく作者はthe pillowsファンです。そのままずばり「空中レジスター」ってタイトルの回も確かあった。


 何がいいのかって多分登場人物の絶妙な距離感で、分かりやすく他人に踏み込まない、なんとなく察してそれとなくフォローする、そういう空気や間の作り方がとても上手いと思う。後、表情芝居の使い方。サワちゃんがうなぎの蒲焼に失敗する回(???)、困り眉で笑って見せているけれど、読んでいて「うわー、すげえ泣きそうな顔だ」って思わせるところとか。基本的に表情がコロコロ変わってみんなかわいいんですよ。たまのシリアスでも基本笑い顔で、でもときたまこちらがドキっとするくらい大人びて見えたりする。これはマンガ的強みです。


 これは言っていいのかどうか分かりかねるけれど、終盤はいわゆる打ち切りが決まったんだろうなあと感じさせる展開で回収されていない演出や伏線もあるんだけど、最後はお祭りで〆、という王道を突き進むのに文句を挟む余地はなし。サワがマンガの最後で戦った相手は突拍子もないようでいて、しかし「ヒーローになったサワの相手」としたらそれしかないよな、などとも思う。ネタバレになるので言いません。


 "ちょっぴりユルいテイストの放課後ディテクティブ・ストーリー"という文句にソワソワするようなら買ってみてはどうでしょうか。『とっかぶ』、とても好きなマンガです。

 

とっかぶ(4)<完> (アフタヌーンKC)

とっかぶ(4)<完> (アフタヌーンKC)

 

 追記:Amazonレビューに「もっと無茶苦茶なドタバタコメディ風にするか~」みたいなこと書いてありますがそれじゃあだいなしだよと強く思った。パンチの軽さがいいのです。ある意味で青春の無駄とか無力さの表れでもあり、しかしそれは無駄なことなんかじゃないという。ナイーヴすぎずお題目でもなく、少年少女の淡いをさ、叙情じゃなくさらっと描いてるのがさ。膝をすりむいたりして痛くても高校生は平気な顔してるし、でもやっぱり痛いし、隣のあいつは「転んだ膝まだ痛いんだろうなー」と思いつつ特段触れずに昼飯買いに行ったりとか(意味不明)(こういうエピソードは本編にはありません)(個人的なおセンチ)。

大学に乗り込んで無理やり「王たちの同人誌」で遊んだ

王たちの同人誌(辺境紳士社交場さん・公式)
 
 大学の文芸サークルでボードゲーム会が開かれるというのでOBのわたしは買ったばかりの王たちの同人誌という非電源ゲームを持ち寄って競技種目にねじ込んだのだった。

 ルールは公式さんが懇切丁寧に書いてくれているので省略するけれど、このゲームの肝はカードイラストのかわいさとフレーバーテキストの愉快さにある。
 いわゆる「同人制作あるある」がカード化されているのだけれど、製作者が作っていて楽しかっただろうな、というのがカード越しに伝わってきて遊んでいると嬉しくなる。

f:id:hdr2:20150208015300j:plain
▲やたら人気だった「なんかヌルヌル」。
 
 基本的にはマンガ・イラストの同人誌ネタがメインなのだけれど、「ジャンル:文芸」なんてカードもあったりしてにやりとする。皆アニオタ属性があるのと文芸だけど同人誌制作経験があるのとで、そこそこ盛り上がったと思う。ゲーム終了時は同人誌即売会が終わったという体なのでみんなで拍手しよう!って説明書に書いてあるのだけれど、説明する前に拍手したし(そもそも開会の時点でやってた。よく訓練されている)。

 

f:id:hdr2:20150202171332j:plain
わたしが学生の頃にこのゲームがあれば最高だったけれど(2014年発売のゲームです)、それは言いっこなし。